Japanese Learning

Japanese Short Story 46

造船所ぞうせんじょのイソップ


イソップは、ある日暇つぶしに、造船所に寄ってみました。
造船所の職人たちは、変な人が来たと思って、
「悔しかったら、何とか言ってみろ」
と、わいわいからかいました。
そこでイソップは、こんな話をしたのです。
「昔々、まだこの地球が形もなくて、
水しかなかった時のことです。
ゼウスの神は、水だけでは困ると考えて陸を呼びました。
そして、『これから3回に分けて、この地球全体にある海の水を飲みなさい』
と、言いつけました。
陸はさっそく、仕事にかかりました。
1回目に、ぐーっと飲むと、山が出てきました。
それから2回目に、ぐーっと飲むと、平野が現れました。
というわけだから、今度3回目に陸がぐーっとやれば、
海はなくなってしまうから、あなた方も仕事がなくなるわけですよ」
このお話は、自分よりも頭の良い人をからかうと、
ひどいしっぺ返しをくらうということを教えています。

Vocabulary List:

WordReadingMeaning
造船所ぞうせんじょshipyard
ある日あるひone day
暇つぶしひまつぶしkilling time
寄るよるto stop by
職人しょくにんcraftsman
へんweird
ひとman
来るくるto come
思うおもうto think
悔しいくやしいregrettable
何とかなんとかsomehow
言ういうto say
わいわいわいわいnoisily
からかうからかうto make fun of
そこでそこでtherefore
はなしstory
昔々むかしむかしonce upon a time
まだまだyet
地球ちきゅうearth
かたちform
みずwater
ときwhen
ゼウスゼウスZeus
かみgod
だけだけonly
困るこまるto have trouble
考えるかんがえるto think
りくland
呼ぶよぶto call
そしてそしてand
これからこれからfrom now on
3回さんかい3 times
分けるわけるto divide
全体ぜんたいoverall
あるあるthere be
うみsea
飲むのむto drink
言いつけるいいつけるto tell
さっそくさっそくimmediately
仕事しごとwork
かかるかかるto take
1回目いっかいめ1st time
やまmountain
出るでるto get out
2回目にかいめsecond time
平野へいやplain
現れるあらわれるto appear
今度こんどnow
3回目さんかいめ3rd time
やるやるto do
なくなるなくなるto lose
あなた方あなたがたyou
お話おはなしstory
自分じぶんoneself
頭の良いあたまのよいsmart
ひどいひどいterrible
しっぺ返ししっぺがえしretaliation
くらうくらうto take
教えるおしえるto teach

With Furigana:

イソップは、あるひまつぶしに、造船所ぞうせんじょってみました。

造船所ぞうせんじょしょくにんたちは、へんひとたとおもって、

くやしかったら、なんとかってみろ」

と、わいわいからかいました。

そこでイソップは、こんなはなしをしたのです。

昔々むかしむかし、まだこのきゅうかたちもなくて、

みずしかなかったときのことです。

ゼウスのかみは、みずだけではこまるとかんがえてりくびました。

そして、『これから3回さんかいけて、このきゅう全体ぜんたいにあるうみみずみなさい』

と、いつけました。

りくはさっそく、ごとにかかりました。

1回いっかいに、ぐーっとむと、やまてきました。

それからかいに、ぐーっとむと、へいあらわれました。

というわけだから、こん3回さんかいりくがぐーっとやれば、

うみはなくなってしまうから、あなたがたごとがなくなるわけですよ」

このおはなしは、ぶんよりもあたまひとをからかうと、

ひどいしっぺがえしをくらうということをおしえています。

Leave a Reply