みにくいアヒルの子(2)
季節は、いつの間にか秋になりました。 そんなある日、みにくいアヒルの子は、これまで見たこともないような、美しいものを目にしました。 それは白鳥の群れでした。 長くしなやかな首を伸ばし、眩しいばかりの白い翼を羽ばたいて、白鳥たちは暖かい国へ飛んでいくところでした。 アヒルの子はあっけにとられて、その美しい鳥たちが、空の彼方へ去っていくのを見送っていました。 「あんな鳥になれたら、どんなに幸せだろう。 いや、アヒルの仲間にさえ入れないくせに。 そんなことを考えて、どうするんだ。」 冬が来て、沼には氷が張り始めました。 アヒルの子は、アシの茂みにじっとうずくまって、厳しい寒さを耐え忍びました。 そのうちに、お日さまは次第に暖かさを増し、雲雀が美しい声で歌い始めます。 ついに春が来たのです。 アヒルの子は体がうきうきし始めると、翼を羽ばたいてみました。 |
Vocabulary List:
Word | Reading | Meaning |
---|---|---|
みにくい | みにくい | ugly |
アヒル | アヒル | duck |
子 | こ | child |
季節 | きせつ | season |
いつの間にか | いつのまにか | before you know it |
秋 | あき | autumn |
なる | なる | to become |
そんな | そんな | such |
ある日 | あるひ | one day |
これまで | これまで | so far |
見る | みる | to see |
美しい | うつくしい | beautiful |
もの | もの | thing |
目にする | めにする | to see |
それ | それ | that |
白鳥 | はくちょう | swan |
群れ | むれ | flock |
長い | ながい | long |
しなやか | しなやか | supple |
首 | くび | neck |
伸ばす | のばす | to extend |
眩しい | まぶしい | dazzling |
〜ばかり | 〜ばかり | just~ |
白い | しろい | white |
翼 | つばさ | wings |
羽ばたく | はばたく | to flap wings |
暖かい | あたたかい | warm |
国 | くに | country |
飛ぶ | とぶ | to fly |
あっけにとられる | あっけにとられる | be astonished |
鳥 | とり | bird |
空 | そら | sky |
彼方 | かなた | far off |
去る | さる | to leave |
見送る | みおくる | to see off |
あんな | あんな | such |
どんなに | どんなに | no matter how |
幸せ | しあわせ | happy |
いや | いや | no |
仲間 | なかま | friend |
さえ | さえ | even |
入る | はいる | to join |
〜くせに | 〜くせに | even~ |
考える | かんがえる | to think |
冬 | ふゆ | winter |
来る | くる | to come |
沼 | ぬま | swamp |
氷 | こおり | ice |
張る | はる | to stretch |
始める | はじめる | to start |
アシ | アシ | reed |
茂み | しげみ | bushes |
じっと | じっと | firmly |
うずくまる | うずくまる | to crouch |
厳しい | きびしい | strict |
寒さ | さむさ | coldness |
耐え忍ぶ | たえしのぶ | to endure |
そのうちに | そのうちに | someday |
お日さま | おひさま | sun |
次第に | しだいに | gradually |
増す | ます | to increase |
雲雀 | ひばり | skylark |
声 | こえ | voice |
歌う | うたう | to sing |
ついに | ついに | finally |
春 | はる | spring |
体 | からだ | body |
うきうきする | うきうきする | to be excited |
With Furigana:
季節は、いつの間にか秋になりました。 そんなある日、みにくいアヒルの子は、これまで見たこともないような、美しいものを目にしました。 それは白鳥の群れでした。 長くしなやかな首を伸ばし、眩しいばかりの白い翼を羽ばたいて、白鳥たちは暖かい国へ飛んでいくところでした。 アヒルの子はあっけにとられて、その美しい鳥たちが、空の彼方へ去っていくのを見送っていました。 「あんな鳥になれたら、どんなに幸せだろう。 いや、アヒルの仲間にさえ入れないくせに。 そんなことを考えて、どうするんだ。」 冬が来て、沼には氷が張り始めました。 アヒルの子は、アシの茂みにじっとうずくまって、厳しい寒さを耐え忍びました。 そのうちに、お日さまは次第に暖かさを増し、雲雀が美しい声で歌い始めます。 ついに春が来たのです。 アヒルの子は体がうきうきし始めると、翼を羽ばたいてみました。 |