みにくいアヒルの子(1)
昔々、ある所に、お堀に囲まれた古いお屋敷がありました。 そのお堀の茂みの中で、一羽のアヒルのお母さんが巣の中のタマゴを暖めていました。 やがてタマゴが一つずつ割れると、中からは黄色い色をしたかわいい雛たちが顔を出します。 ですが、巣の中で一番大きなタマゴだけが、なかなか生まれてきません。 しばらくたって、やっとタマゴを割って出てきたのは、大層体の大きい、みにくい雛でした。 みにくいアヒルの子はどこへ行ってもいじめられ、つつかれて、陰口をたたかれます。 始めのうちは、みにくいアヒルの子をかばっていたお母さんも、しまいには、 「本当にみにくい子。いっそ、どこか遠い所へ行ってくれたらね。 」 と、ためいきをつくようになりました。 それを聞いたみにくいアヒルの子は、いたたまれなくなって、みんなの前から逃げ出してしまいました。 あてもなく飛び出しましたが、どこに行っても嫌われます。 アヒルの子は人目につかない場所を選んで眠り、起きればまた逃げ続けました。 |
Vocabulary List:
Word | Reading | Meaning |
---|---|---|
みにくい | みにくい | ugly |
アヒル | アヒル | duck |
子 | こ | child |
昔々 | むかしむかし | once upon a time |
ある所 | あるところ | somewhere |
お堀 | おほり | moat |
囲む | かこむ | to surround |
古い | ふるい | old |
お屋敷 | おやしき | mansion |
ある | ある | there be |
その | その | that |
茂み | しげみ | bushes |
中 | なか | in ~ |
一羽 | いちわ | one |
お母さん | おかあさん | mom |
巣 | す | nest |
タマゴ | タマゴ | egg |
暖める | あたためる | to warm |
やがて | やがて | eventually |
一つずつ | ひとつずつ | one by one |
割れる | われる | to break |
から | から | from |
黄色い | きいろい | yellow |
色 | いろ | color |
かわいい | かわいい | cute |
雛 | ひな | chick |
顔を出す | かおをだす | to appear |
ですが | ですが | but |
一番 | いちばん | most |
大き | おおき | big |
だけ | だけ | only |
なかなか | なかなか | quite |
生まれる | うまれる | to be born |
しばらく | しばらく | for a while |
たつ | たつ | to pass |
やっと | やっと | finally |
割る | わる | to break |
出る | でる | to get out |
大層 | たいそう | much more |
体 | からだ | body |
大きい | おおきい | big |
どこ | どこ | where |
行く | いく | to go |
いじめる | いじめる | to bully |
つつく | つつく | to peck |
陰口をたたく | かげぐちをたたく | to backbite |
始め | はじめ | start |
かばう | かばう | to protect |
しまい | しまい | at last |
本当に | ほんとうに | really |
いっそ | いっそ | just |
どこか | どこか | somewhere |
遠い | とおい | far |
所 | ところ | place |
ためいきをつく | ためいきをつく | to sigh |
なる | なる | to become |
聞く | きく | to listen |
いたたまれない | いたたまれない | unable to stay |
みんな | みんな | everyone |
前 | まえ | in front of |
逃げ出す | にげだす | to run away |
あて | あて | destination |
飛び出す | とびだす | to pop out |
嫌う | きらう | to hate |
人目につかない | ひとめにつかない | invisible |
場所 | ばしょ | place |
選ぶ | えらぶ | to choose |
眠る | ねむる | to sleep |
起きる | おきる | to get up |
逃げる | にげる | to escape |
続ける | つづける | to continue |
昔々、ある所に、お堀に囲まれた古いお屋敷がありました。 そのお堀の茂みの中で、一羽のアヒルのお母さんが巣の中のタマゴを暖めていました。 やがてタマゴが一つずつ割れると、中からは黄色い色をしたかわいい雛たちが顔を出します。 ですが、巣の中で一番大きなタマゴだけが、なかなか生まれてきません。 しばらくたって、やっとタマゴを割って出てきたのは、大層体の大きい、みにくい雛でした。 みにくいアヒルの子はどこへ行ってもいじめられ、つつかれて、陰口をたたかれます。 始めのうちは、みにくいアヒルの子をかばっていたお母さんも、しまいには、 「本当にみにくい子。いっそ、どこか遠い所へ行ってくれたらね。 」 と、ためいきをつくようになりました。 それを聞いたみにくいアヒルの子は、いたたまれなくなって、みんなの前から逃げ出してしまいました。 あてもなく飛び出しましたが、どこに行っても嫌われます。 アヒルの子は人目につかない場所を選んで眠り、起きればまた逃げ続けました。 |
Note:
みにくいアヒルの子はどこへ行ってもいじめられ、つつかれて、陰口をたたかれます。 The ugly duck was always picked on, pecked, and talked behind his back no matter where he goes. |