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Japanese Short Story 57

いしげたりょう


漁師たちが、地引き網を引いていました。
かなり手ごたえがあるので、
「今日は大漁だぞ!」と、みんな喜んでいました。
ところが、いざ陸に上げてみると、
網の中にはほんの少しの魚しかいません。
手ごたえがあったのは、石ころがいっぱい入っていたからです。
「こんなひどい話があるものか!」
漁師たちは悔しがりましたが、1人の年取った漁師がみんなに言いました。
「なあ、みんなクヨクヨするのはやめよう。
『喜びは悲しみの兄弟』と、言うじゃないか。
さっき喜んだんだから、今度は不愉快な目にあうのは当然だ。
でも、次の今度は、いいことがあるよ」
世の中は、そんなものです。
どんなにいいお天気でも、急に雨が降ることがありますし、
その反対もあります。
今が不幸だからと言って、落ち込む必要はありません。

Vocabulary List:

WordReadingMeaning
いしstone
引き上げるひきあげるto pull up
漁師りょうしfisherman
地引き網じびきあみseine net
引くひくto pull
かなりかなりpretty
手ごたえがあるてごたえがあるhard to
今日きょうtoday
大漁たいりょうbig catch
みんなみんなeveryone
喜ぶよろこぶto rejoice
ところがところがhowever
いざいざwhen
りくland
上げるあげるto raise
あみnetwork
なかin ~
ほんの少しほんのすこしjust a little
さかなfish
石ころいしころstones
いっぱいいっぱいfull
入るはいるto enter
ひどいひどいterrible
はなしthings
悔しがるくやしがるto regret
1人ひとりone person
年取ったとしとったold
クヨクヨするクヨクヨするbe sad
やめるやめるto stop
喜びよろこびjoy
悲しみかなしみsorrow
兄弟きょうだいbrothers
さっきさっきa while ago
今度こんどnext time
不愉快ふゆかいunpleasant
目にあうめにあうto suffer
当然とうぜんof course
でもでもbut
つぎnext
いいいいgood
ことことthing
世の中よのなかthis world
どんなにどんなにno matter
お天気おてんきweather
急にきゅうにsuddenly
あめrain
降るふるto fall
反対はんたいopposition
不幸ふこうmisfortune
落ち込むおちこむbe depressed
必要ひつようnecessity

With Furigana:

りょうたちが、あみいていました。

かなりごたえがあるので、

今日きょうたいりょうだぞ!」と、みんなよろこんでいました。

ところが、いざりくげてみると、

あみなかにはほんのすこしのさかなしかいません。

ごたえがあったのは、いしころがいっぱいはいっていたからです。

「こんなひどいはなしがあるものか!」

りょうたちはくやしがりましたが、1人ひとりとしったりょうがみんなにいました。

「なあ、みんなクヨクヨするのはやめよう。

よろこびはかなしみのきょうだい』と、うじゃないか。

さっきよろこんだんだから、こんかいにあうのは当然とうぜんだ。

でも、つぎこんは、いいことがあるよ」

なかは、そんなものです。

どんなにいいおてんでも、きゅうあめることがありますし、

その反対はんたいもあります。

いまこうだからとって、必要ひつようはありません。

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