お百姓と息子たち
| あるお百姓が、年を取って死ぬ日も近くなったので、 死ぬ前に自分の子供たちに、 お百姓の仕事をしっかり覚えさせたいと思いました。 そこで息子たちを呼んで、こう言いました。 「お父さんは、もうじきこの世におさらばするがな、 お前たちは、わしがブドウ畑に隠しておいたものを探してみるといい。 きっと、いいものが見つかるから」 息子たちはてっきり、父親が宝物をどこかに隠したのだと思いましたから、 父親が死ぬとブドウ畑をすみからすみまで深く掘り返しました。 しかし、掘っても掘っても、宝物はさっぱり見つかりませんでした。 でも、せっせと耕されたブドウ畑からは、 いつもの年の百倍ものブドウがとれたのです。 このお話は、人間にとって働くことこそ宝物であると教えています。 |
Vocabulary List:
| Word | Reading | Meaning |
|---|---|---|
| お百姓 | おひゃくしょう | farmer |
| 息子 | むすこ | son |
| ある〜 | ある〜 | a/an~ |
| 年を取る | としをとる | to grow old |
| 死ぬ | しぬ | to die |
| 日 | ひ | day |
| 近い | ちかい | near |
| 〜前に | 〜まえに | before~ |
| 自分 | じぶん | oneself |
| 子供 | こども | children |
| 仕事 | しごと | work |
| しっかり | しっかり | firmly |
| 覚える | おぼえる | to learn |
| 思う | おもう | to think |
| そこで | そこで | therefore |
| 呼ぶ | よぶ | to call |
| 言う | いう | to say |
| お父さん | おとうさん | dad |
| もうじき | もうじき | soon |
| この世 | このよ | this world |
| おさらばする | おさらばする | farewell |
| お前たち | おまえたち | you |
| わし | わし | I |
| ブドウ | ブドウ | grapes |
| 畑 | はたけ | field |
| 隠す | かくす | to hide |
| 探す | さがす | to look for |
| きっと | きっと | surely |
| いい | いい | good |
| 見つかる | みつかる | be found |
| てっきり | てっきり | clearly |
| 父親 | ちちおや | father |
| 宝物 | たからもの | treasure |
| どこか | どこか | somewhere |
| すみ | すみ | corner |
| 深い | ふかい | deep |
| 掘り返す | ほりかえす | to dig up |
| しかし | しかし | however |
| 掘る | ほる | to dig |
| さっぱり | さっぱり | completely |
| でも | でも | but |
| せっせと | せっせと | diligently |
| 耕す | たがやす | to plow |
| いつも | いつも | always |
| 年 | とし | year |
| 百倍 | ひゃくばい | 100 times |
| とる | とる | to take |
| お話 | おはなし | story |
| 人間 | にんげん | human |
| 働く | はたらく | to work |
| 教える | おしえる | to teach |
With Furigana:
| あるお百姓が、年を取って死ぬ日も近くなったので、 死ぬ前に自分の子供たちに、 お百姓の仕事をしっかり覚えさせたいと思いました。 そこで息子たちを呼んで、こう言いました。 「お父さんは、もうじきこの世におさらばするがな、 お前たちは、わしがブドウ畑に隠しておいたものを探してみるといい。 きっと、いいものが見つかるから」 息子たちはてっきり、父親が宝物をどこかに隠したのだと思いましたから、 父親が死ぬとブドウ畑をすみからすみまで深く掘り返しました。 しかし、掘っても掘っても、宝物はさっぱり見つかりませんでした。 でも、せっせと耕されたブドウ畑からは、 いつもの年の百倍ものブドウがとれたのです。 このお話は、人間にとって働くことこそ宝物であると教えています。 |