鳥刺しとシャコ
| 鳥刺しの家に、夜遅くお客さまが来ました。 何もごちそうするものがないので、鳥刺しは飼っているシャコを捕まえて、 しめ殺そうとしました。 シャコは憤慨して、「あなたは、何て恩知らずでしょう。 私はいつだっておとりになって仲間のシャコをおびき寄せて、 あなたに捕らせてあげてるのに、それなのに私を殺す気ですか」 それを聞いて、鳥刺しは言いました。 「だから余計、お前を殺さなければならないんだ。 何しろお前は、自分の仲間までひどい目にあわせるやつなのだから」 自分の身内を裏切る人は、裏切られた人だけでなく、 その人を引き渡した相手の目から見ても信用できない悪者だということを、 このお話は教えています。 |
Vocabulary List:
| Word | Reading | Meaning |
|---|---|---|
| 鳥刺し | とりさし | bird catcher |
| シャコ | シャコ | giant clam |
| 家 | いえ | house |
| 夜遅く | よるおそく | late at night |
| お客さま | おきゃくさま | customer |
| 来る | くる | to come |
| 何 | なに | what |
| ごちそうする | ごちそうする | to treat |
| もの | もの | thing |
| ある | ある | there be |
| 飼う | かう | to keep |
| 捕まえる | つかまえる | to catch |
| しめ殺す | しめころす | to kill |
| 憤慨する | ふんがいする | be indignant |
| あなた | あなた | you |
| 何て | なんて | what |
| 恩知らず | おんしらず | ingratitude |
| 私 | わたし | I |
| いつだって | いつだって | always |
| おとり | おとり | decoy |
| なる | なる | to become |
| 仲間 | なかま | friend |
| おびき寄せる | おびきよせる | to lure |
| 捕らせる | とらせる | to get caught |
| それなのに | それなのに | even so |
| 殺す | ころす | to kill |
| 気 | き | intention |
| それ | それ | that |
| 聞く | きく | to listen |
| 言う | いう | to say |
| だから | だから | so |
| 余計 | よけい | extra |
| お前 | おまえ | you |
| 何しろ | なにしろ | after all |
| 自分 | じぶん | oneself |
| ひどい目にあう | ひどいめにあう | to have a bad time |
| やつ | やつ | guy |
| 身内 | みうち | relatives |
| 裏切る | うらぎる | to betray |
| 人 | ひと | person |
| 〜だけでなく | 〜だけでなく | not only~ |
| 引き渡す | ひきわたす | to hand over |
| 相手 | あいて | opponent |
| 目 | め | eye |
| 見る | みる | to see |
| 信用する | しんようする | to trust |
| 悪者 | わるもの | bad guy |
| お話 | おはなし | story |
| 教える | おしえる | to teach |
With Furigana:
| 鳥刺しの家に、夜遅くお客さまが来ました。 何もごちそうするものがないので、鳥刺しは飼っているシャコを捕まえて、 しめ殺そうとしました。 シャコは憤慨して、「あなたは、何て恩知らずでしょう。 私はいつだっておとりになって仲間のシャコをおびき寄せて、 あなたに捕らせてあげてるのに、それなのに私を殺す気ですか」 それを聞いて、鳥刺しは言いました。 「だから余計、お前を殺さなければならないんだ。 何しろお前は、自分の仲間までひどい目にあわせるやつなのだから」 自分の身内を裏切る人は、裏切られた人だけでなく、 その人を引き渡した相手の目から見ても信用できない悪者だということを、 このお話は教えています。 |