Japanese Learning

Japanese Short Story 28

コウモリとイタチ


コウモリが地面に落ちて、イタチに捕まってしまいました。
殺されるに決まっていると思ったコウモリは、
「どうか、命だけは助けてください」と、頼みました。
イタチは、「ダメだね。あんたを放すわけにはいかないよ。
なぜって、私は生まれつき、鳥は全部敵だと思っているからね」
 「おや、よく見てください。私は鳥ではありません。ネズミですよ」
コウモリは翼をたたむと、ネズミによく似ています。
 こうしてコウモリは、うまく命拾いしました。
 しばらくして、このコウモリはまた地面に落ちて、
別のイタチに捕まってしまいました。
 「お願いです。私を食い殺さないでください」
 「嫌だよ。私はネズミというネズミが、全部嫌いだから」。
コウモリは、翼を広げると、
「おや、私はネズミなんかではありませんよ。ほら、ご覧の通り、鳥ですよ」
 コウモリは、今度もまた、放してもらいました。
こうしてコウモリは、名前を変えることで二度も命拾いをしたのです。
 このお話のように、危険をまぬがれるためには、
その時その時のなりゆきによって、色々と工夫することが大切です。

Vocabulary List:

WordReadingMeaning
コウモリコウモリbat
イタチイタチweasel
地面じめんground
落ちるおちるto drop down
捕まるつかまるto get caught
殺すころすto kill
決まるきまるto decide
思うおもうto think
どうかどうかplease
いのちlife
だけだけonly
助けるたすけるto save
頼むたのむto ask
ダメダメnot good
あんたあんたyou
放すはなすto let go
なぜなぜwhy
わたしI
生まれつきうまれつきby nature
とりbird
全部ぜんぶall
てきenemy
よくよくcarefully
見るみるto see
ネズミネズミrat
つばさwings
たたむたたむto fold
似るにるbe similar
うまいうまいwell
命拾いいのちびろいnarrow escape
しばらくしてしばらくしてafter a while
このこのthis
またまたalso
べつanother
お願いおねがいplease
食い殺すくいころすto devour
いやdislike
嫌いきらいhate
広げるひろげるto spread
ほらほらyou see
ご覧の通りごらんのとおりas you can see
今度こんどnow
名前なまえname
変えるかえるto change
二度にどone more time
お話おはなしstory
危険きけんdanger
まぬがれるまぬがれるto get rid of
〜ためには〜ためにはin order to~
なりゆきなりゆきdevelopment
色々いろいろvarious
工夫するくふうするto devise
大切たいせつimportant

With Furigana:

コウモリがめんちて、イタチにつかまってしまいました。

ころされるにまっているとおもったコウモリは、

「どうか、いのちだけはたすけてください」と、たのみました。

イタチは、「ダメだね。あんたをはなすわけにはいかないよ。

なぜって、わたしまれつき、とりぜんてきだとおもっているからね」

「おや、よくてください。わたしとりではありません。ネズミですよ」

コウモリはつばさをたたむと、ネズミによくています。

こうしてコウモリは、うまくいのちびろいしました。

しばらくして、このコウモリはまためんちて、

べつのイタチにつかまってしまいました。

「おねがいです。わたしころさないでください」

いやだよ。わたしはネズミというネズミが、ぜんきらいだから」。

コウモリは、つばさひろげると、

「おや、わたしはネズミなんかではありませんよ。ほら、ごらんとおり、とりですよ」

コウモリは、こんもまた、はなしてもらいました。

こうしてコウモリは、まええることで二度にどいのちびろいをしたのです。

このおはなしのように、けんをまぬがれるためには、

そのときそのときのなりゆきによって、色々いろいろふうすることが大切たいせつです。

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