コウモリとイタチ
コウモリが地面に落ちて、イタチに捕まってしまいました。 殺されるに決まっていると思ったコウモリは、 「どうか、命だけは助けてください」と、頼みました。 イタチは、「ダメだね。あんたを放すわけにはいかないよ。 なぜって、私は生まれつき、鳥は全部敵だと思っているからね」 「おや、よく見てください。私は鳥ではありません。ネズミですよ」 コウモリは翼をたたむと、ネズミによく似ています。 こうしてコウモリは、うまく命拾いしました。 しばらくして、このコウモリはまた地面に落ちて、 別のイタチに捕まってしまいました。 「お願いです。私を食い殺さないでください」 「嫌だよ。私はネズミというネズミが、全部嫌いだから」。 コウモリは、翼を広げると、 「おや、私はネズミなんかではありませんよ。ほら、ご覧の通り、鳥ですよ」 コウモリは、今度もまた、放してもらいました。 こうしてコウモリは、名前を変えることで二度も命拾いをしたのです。 このお話のように、危険をまぬがれるためには、 その時その時のなりゆきによって、色々と工夫することが大切です。 |
Vocabulary List:
Word | Reading | Meaning |
---|---|---|
コウモリ | コウモリ | bat |
イタチ | イタチ | weasel |
地面 | じめん | ground |
落ちる | おちる | to drop down |
捕まる | つかまる | to get caught |
殺す | ころす | to kill |
決まる | きまる | to decide |
思う | おもう | to think |
どうか | どうか | please |
命 | いのち | life |
だけ | だけ | only |
助ける | たすける | to save |
頼む | たのむ | to ask |
ダメ | ダメ | not good |
あんた | あんた | you |
放す | はなす | to let go |
なぜ | なぜ | why |
私 | わたし | I |
生まれつき | うまれつき | by nature |
鳥 | とり | bird |
全部 | ぜんぶ | all |
敵 | てき | enemy |
よく | よく | carefully |
見る | みる | to see |
ネズミ | ネズミ | rat |
翼 | つばさ | wings |
たたむ | たたむ | to fold |
似る | にる | be similar |
うまい | うまい | well |
命拾い | いのちびろい | narrow escape |
しばらくして | しばらくして | after a while |
この | この | this |
また | また | also |
別 | べつ | another |
お願い | おねがい | please |
食い殺す | くいころす | to devour |
嫌 | いや | dislike |
嫌い | きらい | hate |
広げる | ひろげる | to spread |
ほら | ほら | you see |
ご覧の通り | ごらんのとおり | as you can see |
今度 | こんど | now |
名前 | なまえ | name |
変える | かえる | to change |
二度 | にど | one more time |
お話 | おはなし | story |
危険 | きけん | danger |
まぬがれる | まぬがれる | to get rid of |
〜ためには | 〜ためには | in order to~ |
なりゆき | なりゆき | development |
色々 | いろいろ | various |
工夫する | くふうする | to devise |
大切 | たいせつ | important |
With Furigana:
コウモリが地面に落ちて、イタチに捕まってしまいました。 殺されるに決まっていると思ったコウモリは、 「どうか、命だけは助けてください」と、頼みました。 イタチは、「ダメだね。あんたを放すわけにはいかないよ。 なぜって、私は生まれつき、鳥は全部敵だと思っているからね」 「おや、よく見てください。私は鳥ではありません。ネズミですよ」 コウモリは翼をたたむと、ネズミによく似ています。 こうしてコウモリは、うまく命拾いしました。 しばらくして、このコウモリはまた地面に落ちて、 別のイタチに捕まってしまいました。 「お願いです。私を食い殺さないでください」 「嫌だよ。私はネズミというネズミが、全部嫌いだから」。 コウモリは、翼を広げると、 「おや、私はネズミなんかではありませんよ。ほら、ご覧の通り、鳥ですよ」 コウモリは、今度もまた、放してもらいました。 こうしてコウモリは、名前を変えることで二度も命拾いをしたのです。 このお話のように、危険をまぬがれるためには、 その時その時のなりゆきによって、色々と工夫することが大切です。 |