人魚姫(1)
深い深い海の底に、珊瑚の壁と琥珀の窓のお城があります。 そのお城は、人魚の王様のお城です。 王様には六人の姫がいて、その中でも、とりわけ一番末の姫はきれいでした。 肌はバラの花びらのように透き通り、目は深い海のように青く澄んでいます。 人魚たちの世界では、十五歳になると海の上に人間の世界を見に行くことを許されていました。 末っ子の姫は、お姉さんたちが見てきた人間の世界の様子を、いつも胸ときめかして聞いています。 「ああ、早く十五歳になって、人間の世界を見てみたいわ。」 そうするうちに、一番末の姫もついに十五歳を迎え、晴れて海の上に出る日が来ました。 喜んだ姫が上へ上へとのぼっていくと、最初に目に入ったのは大きな船でした。 船の中はパーティーをしていて、にぎやかな音楽が流れるなか、美しい着飾った人たちがダンスをしています。 その中に、ひときわ目を引く美しい少年がいました。 それはパーティーの主役の王子です。 |
Vocabulary List:
Word | Reading | Meaning |
---|---|---|
人魚 | にんぎょ | mermaid |
姫 | ひめ | princess |
深い | ふかい | deep |
海 | うみ | sea |
底 | そこ | bottom |
珊瑚 | さんご | coral |
壁 | かべ | wall |
琥珀 | こはく | amber |
窓 | まど | window |
お城 | おしろ | castle |
ある | ある | there be |
王様 | おうさま | king |
六人 | ろくにん | six people |
いる | いる | there be |
その中で | そのなかで | among these |
とりわけ | とりわけ | especially |
一番 | いちばん | the most |
末 | すえ | end |
きれい | きれい | beautiful |
肌 | はだ | skin |
バラ | バラ | rose |
花びら | はなびら | petal |
透き通る | すきとおる | be transparent |
目 | め | eye |
青い | あおい | blue |
澄む | すむ | be clear |
世界 | せかい | world |
十五歳 | じゅうごさい | 15 years old |
なる | なる | to become |
上 | うえ | up |
人間 | にんげん | human |
見に行く | みにいく | to go to see |
許す | ゆるす | to forgive |
末っ子 | すえっこ | youngest kid |
お姉さん | おねえさん | elder sister |
見る | みる | to see |
様子 | ようす | state |
いつも | いつも | always |
胸 | むね | breast |
ときめかす | ときめかす | be fluttering |
聞く | きく | to listen |
早く | はやく | quickly |
ついに | ついに | finally |
迎える | むかえる | to welcome |
晴れて | はれて | formally |
出る | でる | to get out |
日 | ひ | day |
来る | くる | to come |
喜ぶ | よろこぶ | to rejoice |
のぼる | のぼる | to go up |
最初に | さいしょに | at first |
目に入る | めにはいる | to see |
大き | おおき | big |
船 | ふね | ship |
その中に | そのなかに | among these |
パーティー | パーティー | party |
にぎやか | にぎやか | lively |
音楽 | おんがく | music |
流れる | ながれる | to flow |
美しい | うつくしい | beautiful |
着飾る | きかざる | to dress up |
人たち | ひとたち | people |
ダンス | ダンス | dance |
ひときわ | ひときわ | outstanding |
目を引く | めをひく | to attract notice |
少年 | しょうねん | boy |
主役 | しゅやく | leading actor |
王子 | おうじ | prince |
With Furigana:
深い深い海の底に、珊瑚の壁と琥珀の窓のお城があります。 そのお城は、人魚の王様のお城です。 王様には六人の姫がいて、その中でも、とりわけ一番末の姫はきれいでした。 肌はバラの花びらのように透き通り、目は深い海のように青く澄んでいます。 人魚たちの世界では、十五歳になると海の上に人間の世界を見に行くことを許されていました。 末っ子の姫は、お姉さんたちが見てきた人間の世界の様子を、いつも胸ときめかして聞いています。 「ああ、早く十五歳になって、人間の世界を見てみたいわ。」 そうするうちに、一番末の姫もついに十五歳を迎え、晴れて海の上に出る日が来ました。 喜んだ姫が上へ上へとのぼっていくと、最初に目に入ったのは大きな船でした。 船の中はパーティーをしていて、にぎやかな音楽が流れるなか、美しい着飾った人たちがダンスをしています。 その中に、ひときわ目を引く美しい少年がいました。 それはパーティーの主役の王子です。 |