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Japanese Short Story 14

人魚姫にんぎょひめ(1)


深い深い海の底に、珊瑚の壁と琥珀の窓のお城があります。
そのお城は、人魚の王様のお城です。
王様には六人の姫がいて、その中でも、とりわけ一番末の姫はきれいでした。
肌はバラの花びらのように透き通り、目は深い海のように青く澄んでいます。
人魚たちの世界では、十五歳になると海の上に人間の世界を見に行くことを許されていました。
末っ子の姫は、お姉さんたちが見てきた人間の世界の様子を、いつも胸ときめかして聞いています。
「ああ、早く十五歳になって、人間の世界を見てみたいわ。」
そうするうちに、一番末の姫もついに十五歳を迎え、晴れて海の上に出る日が来ました。
喜んだ姫が上へ上へとのぼっていくと、最初に目に入ったのは大きな船でした。
船の中はパーティーをしていて、にぎやかな音楽が流れるなか、美しい着飾った人たちがダンスをしています。
その中に、ひときわ目を引く美しい少年がいました。
それはパーティーの主役の王子です。

Vocabulary List:

WordReadingMeaning
人魚にんぎょmermaid
ひめprincess
深いふかいdeep
うみsea
そこbottom
珊瑚さんごcoral
かべwall
琥珀こはくamber
まどwindow
お城おしろcastle
あるあるthere be
王様おうさまking
六人ろくにんsix people
いるいるthere be
その中でそのなかでamong these
とりわけとりわけespecially
一番いちばんthe most
すえend
きれいきれいbeautiful
はだskin
バラバラrose
花びらはなびらpetal
透き通るすきとおるbe transparent
eye
青いあおいblue
澄むすむbe clear
世界せかいworld
十五歳じゅうごさい15 years old
なるなるto become
うえup
人間にんげんhuman
見に行くみにいくto go to see
許すゆるすto forgive
末っ子すえっこyoungest kid
お姉さんおねえさんelder sister
見るみるto see
様子ようすstate
いつもいつもalways
むねbreast
ときめかすときめかすbe fluttering
聞くきくto listen
早くはやくquickly
ついについにfinally
迎えるむかえるto welcome
晴れてはれてformally
出るでるto get out
day
来るくるto come
喜ぶよろこぶto rejoice
のぼるのぼるto go up
最初にさいしょにat first
目に入るめにはいるto see
大きおおきbig
ふねship
その中にそのなかにamong these
パーティーパーティーparty
にぎやかにぎやかlively
音楽おんがくmusic
流れるながれるto flow
美しいうつくしいbeautiful
着飾るきかざるto dress up
人たちひとたちpeople
ダンスダンスdance
ひときわひときわoutstanding
目を引くめをひくto attract notice
少年しょうねんboy
主役しゅやくleading actor
王子おうじprince

With Furigana:

ふかふかうみそこに、さんかべはくまどのおしろがあります。

そのおしろは、人魚にんぎょ王様おうさまのおしろです。

王様おうさまには六人ろくにんひめがいて、そのなかでも、とりわけ一番いちばんすえひめはきれいでした。

はだはバラのはなびらのようにとおり、ふかうみのようにあおんでいます。

人魚にんぎょたちのかいでは、じゅうさいになるとうみうえ人間にんげんかいくことをゆるされていました。

すえひめは、おねえさんたちがてきた人間にんげんかいようを、いつもむねときめかしていています。

「ああ、はやじゅうさいになって、人間にんげんかいてみたいわ。」

そうするうちに、一番いちばんすえひめもついにじゅうさいむかえ、れてうみうえました。

よろこんだひめうえうえへとのぼっていくと、最初さいしょはいったのはおおきなふねでした。

ふねなかはパーティーをしていて、にぎやかな音楽おんがくながれるなか、うつくしいかざったひとたちがダンスをしています。

そのなかに、ひときわうつくしいしょうねんがいました。

それはパーティーの主役しゅやくおうです。

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