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Japanese Short Story 12

マッチりのしょうじょ(3)


少女はまたマッチを擦ってみました。
辺りは、ぱあーっと明るくなり、光が壁を照らすと、まるで部屋の中にいるような気持ちになりました。
部屋の中のテーブルには、ごちそうが並んでいます。
不思議なことに、湯気を立てた、がちょうの丸焼きが、少女のほうへ近づいて来るのです。
「うわっ、美味しそう。」
そのとき、すうっとマッチの火が消え、ごちそうも部屋も、あっという間になくなってしまいました。
少女はがっかりして、もう一度マッチを擦りました。
するとどうでしょう。
光の中に、大きなクリスマスツリーが浮かび上がっていました。
枝には数えきれないくらい、たくさんの蝋燭が輝いています。
思わず少女が近づくと、ツリーはふわっとなくなってしまいました。
また、マッチの火が消えたのです。
けれども、蝋燭の光は消えずに、ゆっくりと、空高くのぼっていきました。
そしてそれが、次々に星になったのです。
やがてその星の一つが、長い光の尾を引いて落ちてきました。
「あっ、今、誰かが死んだんだわ」
少女は、死んだおばあさんの言葉を覚えていました。
星が一つ落ちる時、一つの魂が神様のところへのぼっていくんだよ。

Vocabulary List:

WordReadingMeaning
マッチマッチmatch
売るうるto sell
少女しょうじょgirl
またまたagain
擦るするto rub
辺りあたりaround
明るいあかるいbright
なるなるto become
ひかりlight
かべwall
照らすてらすto illuminate
まるでまるでas if
部屋へやroom
なかin ~
いるいるthere be
気持ちきもちfeelings
テーブルテーブルtable
ごちそうごちそうfeast
並ぶならぶto line up
不思議ふしぎstrange
ことことthing
湯気ゆげsteam
立てるたてるto raise
がちょうがちょうgoose
丸焼きまるやきroasted
ほうほうposition
近づくちかづくto get closer
来るくるto come
美味しいおいしいdelicious
fire
消えるきえるto disappear
あっという間にあっというまにin no time
なくなるなくなるto disappear
がっかりするがっかりするbe discouraged
もう一度もういちどonce again
するとするとthen
どうでしょうどうでしょうhow about
大きおおきbig
クリスマスクリスマスChristmas
ツリーツリーtree
浮かび上がるうかびあがるto emerge
えだbranch
数えきれないかぞえきれないcountless
たくさんたくさんlots of
蝋燭ろうそくcandle
輝くかがやくto shine
思わずおもわずinvoluntarily
けれどもけれどもbut
ゆっくりとゆっくりとslowly
空高いそらたかいhigh in the sky
のぼるのぼるto go up
そしてそしてand
次々につぎつぎにone after another
ほしstar
やがてやがてeventually
一つひとつone
長いながいlong
tail
引くひくto pull
落ちるおちるto drop down
いまnow
だれwho
死ぬしぬto die
おばあさんおばあさんgrandmother
言葉ことばword
覚えるおぼえるto remember
ときwhen
たましいsoul
神様かみさまgod
ところところplace

With Furigana:

しょうじょはまたマッチをってみました。

あたりは、ぱあーっとあかるくなり、ひかりかべらすと、まるで部屋へやなかにいるような気持きもちになりました。

部屋へやなかのテーブルには、ごちそうがならんでいます。

不思議ふしぎなことに、湯気ゆげてた、がちょうのまるきが、しょうじょのほうへちかづいてるのです。

「うわっ、美味おいしそう。」

そのとき、すうっとマッチのえ、ごちそうも部屋へやも、あっというになくなってしまいました。

しょうじょはがっかりして、もういちマッチをりました。

するとどうでしょう。ひかりなかに、おおきなクリスマスツリーがかびがっていました。

えだにはかぞえきれないくらい、たくさんの蝋燭ろうそくかがやいています。

おもわずしょうじょちかづくと、ツリーはふわっとなくなってしまいました。

また、マッチのえたのです。

けれども、蝋燭ろうそくひかりえずに、ゆっくりと、そらたかくのぼっていきました。

そしてそれが、次々つぎつぎほしになったのです。

やがてそのほしひとつが、ながひかりいてちてきました。

「あっ、いまだれかがんだんだわ」

しょうじょは、んだおばあさんのことおぼえていました。

ほしひとちるときひとつのたましい神様かみさまのところへのぼっていくんだよ。

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